9代続くサーカス一家で生まれ育ち、幼い頃からステージに立ち、芸歴は20年以上です。曲芸師の両親と14カ国以上を回りました。
複数のボールなどを空中に投げたり取ったりするジャグリングの世界は競争が激しく、特別でなければ目立ちません。私はスピードで勝負しています。レベルを維持するため、毎日2時間は練習し、腕や上半身の筋力も鍛えています。
1番の得意はリングの演技です。直径約30センチの輪10枚を高さ5〜6mまで投げ上げ手に取った順に首にかけていきます。輪の数が増えるほどスピードの調節が難しく、習得に10年かかりました。
演技中に1枚だけ高く投げているのは、日々異なるテント内の空調の流れをチェックし、投げるスピードや角度を微調整しているためです。プラスチック製のリングは150g〜200gと軽いので、演技の完成度を高める上での最大の敵は風です。ダイナミックに見えてもとても繊細な技。
リズムや手振りで盛り上がると、お客さんと一体化して楽しんでもらいたいという思いが強くなり、私もベストを尽くすことができます。来てくれた人には日常の悩みを忘れて、ハッピーになって欲しいと思っています。 |