1.木下サーカスは日本国経済産業省より、国際条約であるワシントン条約のCITES(絶滅の恐れのある野生動植物の種の国際取引に関する条約)による許可を得ております。なお、2世代以上飼育されていることが証明可能な動物は、もちろん「野生由来」ではなく、サーカスにおいて動物の飼養を許可されております。もちろん、我々が現在所有している動物は全て2世代以上飼育されており、「野生由来」の動物ではありません。
2.「動物の福祉」という観点では全ての動物に対し、十分な居住エリア、運動スペースの確保に努めております。移動は年に4~5回ほど行いますが、移動には無理のないスケジュールを組んでおり、象に関しては、会場内に運動するスペースを設け、タイ人の専門の調教師によるケアのもとに可能な限りよい環境を与えて、会場内での運動をさせております。冬期は暖房、夏期は送風と水浴びを行い、動物に不快な感じを与えないように努めております。飼料は上質なものを、また新鮮な水分も、いずれも適量に与えております。半年に一度、定期的に専門の獣医によるヘルスチェックを実施し、健康を損なうことのないように留意しております。直近では2021年9月15日に豊川公演でヘルスチェックを行い、健康に問題がないことを確認しております。
なお1999年には、タイ国に象の病院も寄贈しており、2006年よりアジア野生動物研究センター(AWRC)を通じて、タイ国のマヒドン大学と協力しながら、アジア象の保護などに寄付を続けており、東南アジアの動物の保護活動に協力致しております。
>>詳しい情報はこちら
同センター(AWRC)の野生動物に関する考え方に関しまして、下記記載致しておりますのでご一読ください。
アジア野生動物研究センター(Asian Wildlife Research Center Foundation=AWRC)は、2003年タイ王国で野生動物保護研究のため公式NGOとして設立。国立チェンマイ大学、マヒドン大学の両獣医学部と連絡を密にすると共にタイ王国政府動物園機構の教育部門と共に活動しております。NPO法人としてアジアの野生動植物の保存やアジアの動物関連文化の啓発活動を行っている野生動物に関する保護団体です。
サーカスの動物たちに関しては、
サーカス等での動物たちは自然界、野生生活を知らない代々施設で生まれ人間と共に生活し育ってきた動物たちである。
家畜でないから野生という単純な分類でなく、野生でなく野性動物として認めて欲しい。
動物が望むことは「食と安全」である。彼らは人間といることで安心感を持ち、適切な食により健康と安全を得ている。
我々は、動物を扱うサーカス関係者の方々には、人との優しい愛情あるふれあいと安全な生活環境を与えて欲しいとお願いしているところである。
アジアゾウの場合
発展途上国の自然開発事業は目を覆うものがある。
我々動物保護団体が、経済優先に警報を鳴らしているが止める力はなく、大きな声を挙げれば「人と動物のどちらが大事か」との極論が返ってくる。
我々はその経済の発展のために犠牲になっている使役ゾウを助ける活動をしている。
現在木下サーカスにはラオス人民民主共和国政府の許可を得てアジアゾウを借りてもらっており、それはラオスのアジアゾウの保護とゾウ文化を残すための手助けをしてもらうためである。
ラオスでは森林伐採が完全禁止となり、これまでゾウと共に材木輸送などの仕事が無くなり、失業によりゾウの世話もできなくなった。
1,000年以上続くアジア独特のゾウと人との共存文化、我々の代に消してしまうのではなく、継承してゆくことが大事である。
森林は伐採され、人のために薬用木の植栽、多様性が全くない畑化され、自然に容赦なくインドシナ半島を縦断・横断の産業道路の建設、大型動物は人間社会では邪魔もの扱いされ、野生ゾウの激減、我々AWRCは野生ゾウの保護啓発と飼育ゾウの保護でアジアゾウの種の保存活動に木下サーカスの力をお借りしている。
以上が、アジア野生動物研究センターの考え方です。
なお、象に関しましては、日本とラオスの国家間の友好親善の架け橋のシンボルとして招聘致しております。